第99号

鬱病・パニック障害を東洋医学で治す! 第99 号


 このメルマガでは、鬱病(うつ病)やパニック障害 統合失調症などを東洋医学の視点から考えていきます。
あなた自身が自分を理解し認め、自分を愛せるようになること。
そこから回復のためのプログラム作りを一緒に考えていきましょう!


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タイトル: 内の自分外の自分
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 人には内側の自分と外向けの自分という2つの顔があります。この2つの顔をうまく使い分けながら私たちは生活しています。
内側の自分は人間という生物の顔で、全ての動物が同じように持っているものと同類だと思いますが、外向けの自分というのが今回の問題です。
私たちは生きている環境に適応するための機能として、外側の自分を作ります。周囲の社会と内側の自分との誤差をうまく調整しながら、そこで確実に適応していくためのショックアブソバーのような役割をするものです。
外側の自分は外側にある社会常識やルールや仲間意識や遊び方やけんかのしかたや上手なつき合い方などを学習しながら環境に合わせて変化します。
このような外側の自分があるからこそ私たちは社会の中で柔軟に近づいたり離れたりしながら集団を壊さないように生きています。しかしこれが内側の自分と あまりに大きくかけはなれたものになってしまうと、さまざまな矛盾や不都合が起きてきます。

 うつ病と診断された女性(32)は、何かわけもなく いらいらしてしまうことで苦悩されていました。1年ほど前からどこか自分の歯車が少しずつずれて動いているような違和感を感じていて、眠れない 仕事で単純なミスをするようになった ものごとに集中することができなくなった 人に会いたくない 外に出たくない 過食の欲求が強いときがある いらいらして食器を投げて壊す・・・。というような状態に気がついて病院へ行ったそうです。
 その後も通院しながら薬での治療を続けたけれどもなかなか治らないので、こちらに来られました。

 この人は幼少期にはそれほど問題になるような環境ではなかったようですが、ご本人が言われた自分の性質と、実際に診察してみた私の感覚と、かなりずれがあるというのが最初の印象でした。
 「私は昔から ものごとをてきぱきするほうで、ちょっとせかせかしたところもあります」 と言われるのですが、身体を診察したところでは、その言葉とは違い、かなりゆったりとしたスローテンポな体質であるように感じました。
 もしかすると、この人の自分に対する感覚と、身体という実体に大きなギャップがあり、それが いらいらの原因ではないかなと思いました。

 この人の趣味は 読書 編み物などと言われることから本来は ものごとをゆっくり時間をかけて深く理解しながら処理することを得意とするような体質なのではないかと思います。
そういう性質を持った身体に無理をかけながら てきぱきとした動きをさせ続けてきた結果 病的な症状が現れたのではないかと想像します。
不眠や過食の欲求や いらいらして食器を壊したりする症状は身体が表している いらいらなのではないでしょうか。

 ここで治療した日はぐっすり眠れるが、翌日からまた眠れなくなる・というようなことを繰り返し、気功をしたりお話をするうちに、自分に対する勘違いがあるのではないかとご本人も気がつきはじめました。
自分は自分がてきぱき動けるはずなのだとどこかで勘違いしてきて、本来そういうふうには動けない身体に無理をかけ続けたために、眠れない いらいらするということが起きているのかもしれない・・ということ。

もうひとつは、何でも我慢してしまう性格。これは なんかいやだなぁ・と思うことでも、仕事だからしかたないか・今回は我慢しとこうか・後で面倒だから黙っていようか・・というように、負担を内側に蓄積してきてしまったことです。

 この人の背中 首 顎関節 側頭部あたりに強い緊張があり熱を帯びていて、歯をくいしばって がんばってきたのだ!という体の形ができているのですが、ご本人にはそういう自覚がありませんでした。
本来は ゆったりと動くことを得意とする身体を、早く浅くせかせかと使い続けてきたために、その違和感が限度を超えた信号として、さまざまな症状が現れているように思います。

 外向けに作られた感覚は、何らかのトラブルで、大きく誤解をそのままにしてしまうことがありますが、これは元々実体のないものなのでリセットして再構築することが可能です。
一度思い込んだ感覚をリセットして、もう一度作り直すのはとても大変なことですが、以下の2つの面から治療するのが効率的だと思います。

○ 内面のリセット −− 私は 気功リリースワークをすすめています。
  気功リリースワークでは 身体が楽だなと感じる動きを広げていくための運動法です。気持ちがいいと思える感覚が内部に確立されることは、疲労やストレスをより早く的確に感じられるようになることでもあります。

○ 外面のリセット −− 幼少期からの環境をもう一度やり直すことはできませんが、いま周囲にいる信頼できる人の真似をしてみることです。あるいは常にアドバイスを受けられるようにしておくことです。
自分より10年/20年 長く生きている人たちの多くは、あなたと同じ道を歩いてきているので、あなたがどこでどう迷っているのか、どう苦悩しているのか、どう傷ついているのか・・といったことを経験的に知っています。そういう人たちのアドバイスを受けることで、こういうときはこうすればいいんだ・これは間違いだった・ これは間違いじゃない・・といったことがおおよそわかります。
 今の若い人たちは同じ年代どうしで固まってしまう傾向があります。それはそれとして、もっと中高年や老人たちに近づいて、そこから学んでみてほしいなと思います。 いくつかの不安や苦悩や勘違いに気がつくかもしれません。



発行日 :2008年 9月 13日(土)
発行元 : はり 東洋医学  イエラ鍼灸治療室
東京都杉並区阿佐谷北1-9-2
電話 :03−3338−6711
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